専業アフィリエイターが法人成りした時にやるべきことはいくつかありますが、優先順位が高いのは法人口座の開設でございます。
法人成りしてしばらくの間なら個人口座のまま売上を受けたり支払いを送金しても正しく経理処理すれば別に怒られることはないんですが、いつまでも個人口座の入出金明細を税理士さんに見せたいわけでもないので、さっさと済ませてしまいます。
3つの口座
法人成りしてすぐ開設した口座は3つ。
- ゆうちょ銀行
- ジャパンネット銀行
- 七十七銀行(仙台の地銀です)
全て同日に申し込みました。
結論から言うと全て一発で審査が通ってすんなり法人口座を開設できましたので、その時の流れなどを書き留めておきます。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は全く使うつもりはないのですが、一番審査が簡単でまず間違いなく口座が作れるよと聞いたので保険的に申し込むことにしました。
ちなみに預入限度額が普通貯金と定期貯金あわせて1000万円までなので、事業形態によっては使えない場合もあるでしょう。
申し込みに必要な物はここに書いてあります。
法人口座を開設されるお客さまへ-ゆうちょ銀行
http://www.jp-bank.japanpost.jp/kaisetu/kat_hojin.html
- 登記簿謄本
- 本人確認書類(免許証など)
- 社員証や名刺など、所属を証明するもの
- 主要株主名簿
- 法人の印鑑証明
- 法人設立届出書(控)
以上です。
弊社では法人設立の届け出をe-taxで行っていますので、税務署の受付印はありません。
この点で窓口の方がちょっとモタモタして「申し訳ありません、受付印がないと…」と言ってきました。
やんわりと「弊社の登記は電子申請なので、受付メールのプリントアウトで印鑑と同じ効力があるはずですよ」と伝えたところ、窓口のお姉さんは奥に座ってる上司の方に相談しに行ってしまいました。どうやらOKがもらえたようです。なんせ仙台の田舎なんで、一般的に電子的なことには慣れてない人が多いのはまあ仕方ないところです。
こんな紙切れが受付印の代わりになるとは…。
主要株主名簿はエクセルでベタ打ちしただけのもので十分です。「株主名簿 テンプレート」で検索し、適当なものをDLして使いました。
あとは免許証と名刺、印鑑証明を出します。
各種証明書類はオリジナルを持参しましたが、返却をお願いしたところコピーを取って頂けました。登記簿や印鑑証明は何かと枚数が必要なので、絶対原本が必要という所以外では返却を申し出た方がいいですね。取得には時間もお金もかかりますので…。
審査に落ちることはありますか? と窓口で尋ねましたが、「必要書類さえ揃っていれば審査に落ちることはないと思います」とのこと。
申し込みから6営業日で通帳とカードの暗証番号が転送不要の書留で到着。カードは後から別送です。
ジャパンネット銀行
弊社のメインバンクはここにしています。手数料やサービスのバランスが優れていると感じました。またPay-easy対応で税金の支払いも便利です。
メガバンクは口座維持手数料やら振込手数料やら、その他のサービスも利用するといちいち料金が発生します。
また弊社が営業している仙台ではメガバンクの支店がそもそも市街の中心部に1件のみ。自宅や会社の近辺には存在せず不便。なのにネットバンキングは時間制限があったり、入出金明細をCSVでDLするなんてアタリマエのことすらできなかったりしてストレスがマッハです。もちろん地銀はそれ未満のサービス水準で論外。
アフィリエイトという業態から言ってもネット銀行をメインにするのは必然と言えるでしょう。
個人では住信SBIネット銀行がメインなのですが、SBI銀行では法人口座を作ろうとすると不思議なことに「他の金融機関の法人口座の通帳コピー」を求められるんです。
口座がないから作りたいのに、他の銀行の通帳持ってこいとは…? ちょっと意味がわからず3回くらい音読しましたが、解釈に間違いはないようです。それで次に白羽の矢が立ったのがジャパンネット銀行というわけ。(後日住信SBIネット銀行の口座も作りましたが、すでにジャパンネット銀行で取引を行っているため結局使っていません)
法人・営業性個人のお客さまの普通預金口座開設
http://www.japannetbank.co.jp/business/apply.html?cr=accont_busi01
ビジネスアカウント(法人のお客さま)の口座開設時の本人確認資料について
http://www.japannetbank.co.jp/business/confirm/index.html
必要書類はゆうちょ銀行と似たようなものですが、JNBの特徴は「会社の公式サイトを求められる」こと。サイトがない場合はチラシやパンフレットなど事業内容を記した印刷物がいるようです。
弊社はアフィリエイトサイトの運営が主体でチラシやパンフがありませんし、会社概要を載せたサイトも持っていませんでしたから急遽でっちあげました。
企業名のドメインだけは取ってあったので、そこに1ページのhtmlで会社概要・沿革・代表者名・資本金・顧問税理士・経営理念・事業内容・運営サイト情報・連絡先をズラズラと列挙。Web系の会社とは思えない雑なサイトでしたが、審査は一発でOK。
なお、会社概要のページを作る時はこちらのブログ記事を参考にしました。アフィリエイトを主体とする企業であれば、運営サイトも載せておいたほうが無難なようです。私の場合はペラペラのサイトからリンクを貼るとSEOペナルティあるんじゃないか? と思ったので、リンク属性にはせずURLだけ平文で載せました。
申込書類の到着連絡から4営業日でキャッシュカードとセキュリティトークンが発送。
(↓余談・読まなくても問題ありません)
発送は書留ですが、到着日が日曜で郵便局が勝手に配達を保留してしまいました(法人宛なので土日は休みだと判断して保留してしまう)。さっさと受け取りたいので問い合わせをしたところ、免許証と所属確認ができる証明書を持参すれば不在票がなくてもゆうゆう窓口で受け取れるとのことでした。
これがどういうことかと申しますと、「転送不要」扱いなので、受取人がその住所に住んでいるか確認できなければ渡してくれません。通常は不在票がポストに入りますので、その不在票を持参すれば居住が証明できます。
今回のケースは追跡サービスで保留扱いが判明しただけで、実際はまだ配達に来ていませんでしたから手元に不在票はありません。心配でしたが登記簿謄本を出したら文句は言われませんでした。名刺や社員証でも大丈夫かと。どうでもいいレアケースとは思いますが、一応メモしておきます。
七十七銀行
店舗だけはやたら多い、仙台の地銀です。
インターネットバンキングの仕様などは問題外で全く21世紀の水準に達しておらず、毛の先ほども利用するつもりがないのですが、我らが仙台の地元企業の中には「地銀でないと口座振替ができない」(もちろんクレカも不可!)と言うとんでもないサービスがチラホラあるので渋々開設。
事業で融資を受けるならこういう地銀や信用金庫で口座作って対面での信用を積み上げていくのがいいんでしょうけど、アフィリエイト業では無借金経営が定石。
借りたお金で人を雇って人海戦術の元にコンテンツをガシガシ入れて、PPC広告出してサイトを急拡大させて…というレバレッジを効かせたサイト運営がやりたいかといえば、現時点で私はNOです。経営として規模拡大に突っ走らないのはどうなの? と言われたりしますけどね。
ちょっと話が逸れましたが…驚くべきことに、七十七銀行は公式サイトを見ても法人口座の開設手続きが書いてないんですよ。というわけで心当たりのある書類を全部ひっさげて、会社から最寄りの支店窓口へ行きます。
- 登記簿
- 印鑑証明
- 法人設立届出書&電子申請控え
- 免許証
- 名刺
これらを提出しました。まとめて渡したのでどこからどこまでが必須なのかはわかりません。
何日かかかるのかと思いきや、淡々とその場で通帳&カードが発行されて即日利用OK! その場で1円以上の入金を求められます。朝一番で行ったところ15分程度で終わりました。
キャッシュカードは後送で、5営業日ほどで到着しています。
次は法人クレカ
ともあれ、無事に口座が開設できました。ASP各社の報酬振込口座を変更するだけで一苦労。
報酬の振込先はジャパンネット銀行に統一し、あとは法人カードを作って経費の引き落としをそこへまとめれば、経理処理はだいぶ楽になりますね。
事業規模が拡大し、大口の取引などが増えてくるとメガバンクの口座を用意することになるかもしれませんが、信用のないうちはメガバンクの口座を作るのが難しいかもしれませんので、立ち上げ期はこんなものでいいかと思います。
口座が作れた時点で法人カードの申し込みも行いました。それはまた、別の記事で。